コロッケ。

本店のある通りは、昔、商店街としてたくさん店が連なっていた。

学校から帰ると「若、おかえり」「ボン、勉強してきたか?」などと

それぞれのお店のおっちゃんおばちゃんがよく声をかけてくれたものだ。

そのお店のひとつに「丸宮精肉店」というお肉屋さんがあった。

こぼした牛乳を拭くような雑巾を見えるとこで干してたらアカンやろ?なんで?

と、ずっと不思議に思ってたのが、センマイというホルモンであることを

父に教えてもらい、「えっ、あれ、食えんの?」と度肝を抜かれたあのお肉屋さんだ。

で、そこのコロッケなんだけど、マジで大好きだった。

普通に「世界一旨い!」と微塵の疑いもなく本気で思ってたくらい…。

土曜日のお昼に学校から帰ると、お店が忙しくってお昼の用意ができない場合

オカンが「丸宮さんでコロッケ買うておいで!」って500円をくれるわけだ。

もうね、「おぉぉぉっしゃあ!」なのね。

ターって走っていくと、「栄くん、コロッケか?」とおばちゃんが笑顔で迎えてくれる。

コロッケやらミンチカツやら注文すると「これも持って帰りな」って

オマケしてくれたりして、

まあ、先に言うてくれたらお釣りがたくさん手に入んのに…なんて思いつつ、

コロッケを振り回しながら喜んで帰ってたのを今でも覚えている。

ただ、そのお肉屋さんはもう随分と前に閉められて今はもうない。

なので、どこのどれだけ有名なコロッケを食べようが

「やっぱ丸宮さんのコロッケが食いたいわ」ってなってしまうのだ。

そこで、思いきっておばちゃんにレシピをお願いした。

「ええよ、ええよ!栄くん、頑張ろな」なんて、はりきって快諾してくれる。

作っては持っていき、作っては持っていき、おばちゃんに食べてもらえば、

おばちゃんも負けずに「栄くん、食べや」って何度も何度も作ってもらって

ようやく販売の許しをいただいた。

ラードで揚げてない分若干落ちるが、ほぼほぼ丸宮さんのコロッケである。

「おばちゃん、皆、美味しい言うてくれてんで」と報告にいくと

「ほんま~。栄くん、良かったな~」の笑顔はあの時のままだ。

そして、いつまでたっても「栄くん」も変わらない…。

いや、おばちゃん、もう、ええおっさんやで!である。

是非ともお試しください。

2017/08/16

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